概念
項頸部から僧帽筋エリアの諸筋に生じる主観的に詰まったような、こわばった感じや不快感・こり感・重苦しさや痛みにいたる症候の総称である。頸肩腕症候群の初期症状とも言われている。
原因
同じ姿勢をとり続けるなどして頭や腕を支える僧帽筋やその周辺の筋肉(肩甲挙筋・上後鋸筋・菱形筋群・板状筋・脊柱起立筋)の持続的緊張によって筋肉が硬くなり、局所に循環障害が起こる。それによって酸素や栄養分が末端まで届かず、疲労物質が蓄積しこれが刺激となって肩こりを起こすと考えられている。
症状
僧帽筋エリア(特に肩上部)の局部の圧痛から始まる。僧帽筋は肩上部では厚みがあり、それも肩こりの大きな一因となっている。 進行すると圧痛点やこりを感じる部位が拡大する。 筋肉の持続的緊張により圧痛部位が拡大し、深層筋(肩甲挙筋・棘上筋・菱形筋・脊柱起立筋群・上後鋸筋)にまで凝りが拡大すると「芯が凝ったような凝り」として感じられ、筋肉がこわばり、重苦しさを感じるようになる。 主観的には頸部~肩上部に「ズシーンとした感じ」「何かものがのっているかのような感じ」や肩甲骨と脊柱の間(肩甲間部)や肩甲骨の内側の際に「鉄板が入ったような感じ」として感じられることが多い。 重苦しさを放置すると痛みを感じるようになり(「頸部まで痛い」「凝りすぎて背中が痛くて眠れない」)、進行すると緊張性頭痛や顔面・上肢の関連痛が生じるようになる。
猫背
状態
猫背(ねこぜ)は、猫の背中のように人間の背中が丸く内側へ反るようになる現象。元々猫の内臓は背中に偏り、腹部には脂肪しかない。そのため背中に偏ったことの例えとして猫背という言葉が使用されるようになった。
猫背の医学的表現
脊椎は本来、まっすぐな円柱状の形態をとってはおらず、生理的な弯曲を持っている。頚椎は前弯(脊椎は正確な円柱よりも前方にはみ出している、前方が弧で後方が弦のカーブ)、胸椎は後彎(脊椎は正確な円柱よりも後方にはみ出している、前方が弦で後方が弧のカーブ)、腰椎は再び前弯し、仙骨は後弯に相当するカーブを持っている(仙骨だけは成人では骨性に結合してひとつの骨になっているため、可動性がない)。『猫背』はこのうち、胸椎の後弯が生理的な範囲よりも大きく曲がったものであり、円背ともよばれる。
猫背の弊害
ヒトの脊椎は生理的弯曲によって、重い頭部の荷重を一点に集中させることなく、分散させて支えている。つまり生理的弯曲によって安定した直立二足歩行が可能となる。猫背では胸椎後彎が本来の生理的弯曲の範囲を超えているため、頭部の荷重が適切に胸椎に負担されず、頭部の重心は胸椎の軸よりも前方に位置する。この状態で頭部を安定させるために、僧帽筋や脊柱起立筋群に過剰な負荷がかかることとなる。僧帽筋に過剰な負荷がかかった結果の筋肉の過緊張や筋肉痛は、肩こりとして自覚されることになる。また、人体に最適ではない姿勢を筋力を用いて保っていることにより、起立を保ったり歩いたりすることで疲れやすくなる。
さらに、姿勢はその人を見る他者への印象にも大きな影響を与える。猫背の姿勢は、その人を見るものには落胆や自信のなさといった好ましくない印象を与えることがあり、この点も弊害といえる。
ばね指
状態
ばね指(指の屈筋の腱滑膜炎)は、手の指が曲がったまま動かない状態です。指を曲げるための腱の1つが炎症を起こして腫れると動かなくなります。正常なら指の曲げ伸ばしの動作とともに、この腱が周囲のさやの中を前後になめらかに動いています。ばね指では炎症を起こした腱はさやから出ることはできるので、指を曲げることはできます。しかし腱の腫れがひどくなると、さやの中に戻るのが難しくなるため、指が伸ばせなくなります。
ばね指は、手の使いすぎ(重い園芸用ばさみの使用など)や、炎症(関節リウマチなど)が原因で起こります。指を伸ばすには腱の腫れた部分を力ずくでさやに押しこむため、指が伸びたときに、ばねで弾かれたような感じがします。ときには、炎症を起こした腱鞘内に、コルチコステロイド薬と局所麻酔薬を注射することがあります。慢性化したばね指の治療には一般に、手術が必要となります。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニア(ついかんばんヘルニア)は、ヘルニアの一種であり、椎間板の一部が正常の椎間腔を超えて突出した状態である。椎体と椎体の間には人体最大の無血管領域と呼ばれる椎間板が存在している。椎間板は中央にゼラチン状の髄核、周囲にはコラーゲンを豊富に含む線維輪から成る。この髄核や線維輪の一部などが突出した状態が椎間板ヘルニアである。多くの動物は脊椎を重力に垂直にして生活しているのに対し、人間は二足歩行であるために脊椎は重力と平行方向となる。
このため、立位では椎間板には多くの負荷がかかる。椎間板ヘルニアは、下位腰椎 (L4/5, L5/S1) が最多で、次に下位頸椎に多く、胸椎には少ない。胸椎に少ないのは、胸郭により、椎体間の可動性が頚椎や腰椎に比べ少ないことによる。また、神経根走行の関係から、下位腰椎では、上位腰椎に比べ、神経根症状を起こしやすく、発見されやすい面もあるかもしれない。高齢になると、下位頚椎での可動性が減少し、ヘルニアが起こりにくくなり、比較的上位の頚椎病変を来しやすくなる。
すなわち、椎間板ヘルニアは、よく動く脊椎の部分で起こりやすいのである。
症状
腰椎椎間板ヘルニアの場合、症状は、片側の下肢痛が多いが、巨大なヘルニアの場合、両側で症状が出現することもありうる。下肢痛は、当該椎間板ヘルニアによる神経根圧迫により生じる。教科書的には、L4/5では、L5症状が出る。疼痛、しびれなどの自覚症状に加え、障害された神経の支配領域に感覚障害を呈したり、運動神経の麻痺による筋力低下を来たすことがある。上位腰椎椎間板ヘルニアの場合、腰痛(いわゆるL2障害)や股関節痛(L3障害など)を訴えることもある。
それ以外の場合、腰痛は訴えないのが典型的である。若年性椎間板ヘルニアは、椎間板内圧が高く、高齢者に比べ、強い症状を呈しやすい。
腰痛
腰痛(ようつう)とは、腰に痛みを感じる状態を指す一般的な語句。 その原因は様々である。多くは急性腰痛症にまとめられる疾患であり、対症療法以外治療法はない。
腰痛の種類
腰痛には筋肉由来の緊張性腰痛と、鈍い痛みを伴う慢性の腰痛がある。
筋肉を原因とした緊張性腰痛(筋筋膜性腰痛)は長時間同じ姿勢を続けるなど、過度なストレスを強いられ筋肉が緊張することで引き起こされる腰痛である。筋肉などにストレスが掛けられることで、常に交感神経が優勢になり活発化し緊張を強いられた結果、余計な他の筋肉などに力が入る。すると崩れたバランスを調節しようと腰の筋肉に負担が大きくなり、腰痛が発生する。慢性型腰痛は、腰に日常的に継続した鈍い痛みのあるものである。
腰痛の起きやすい生活習慣
同じ姿勢を取る時間が長い
一日のうち長時間(2~3時間)車などを運転する
一日のうち座っている時間が長い
脚を組んで椅子に座るクセがある
姿勢が悪く片方の肩だけが肩コリがする
足に合わない靴を無理をして履いている
運動不足である(腹筋が弱すぎる、腹筋に比べて背筋が弱い)
急な腰痛への対処
ぎっくり腰のような急に激しい痛みがきたときの対処法として、最初に患部を冷やすことが肝心である。これは他の急性筋肉疾患でも同様だが、冷やすことで炎症の亢進を抑えて疾患の拡大(腫れ・疼痛)を出来るだけ小さくするための処置であるので、可能な限り早く冷やした方が治療効果も高く痛みも少ない。急性期を過ぎた後は、今度は出来るだけゆっくりと温めて血流を良くすると筋の復帰も早い。腹圧を上げる為のコルセット着用も効果的である。また、下肢の痺れ・感覚鈍麻・歩行困難等が顕れるような場合は、椎間板ヘルニア等の恐れもある為に病院の診察が必要である。
ぎっくり腰
ぎっくり腰(-ごし)とは一般的に、重いものを持った時や急な体幹の捻転時におこる急性の腰痛を指す通称。正しくは「急性腰痛症(きゅうせいようつうしょう)」とされている。欧米ではその病態から「魔女の一撃」(Hexenschuss,独)とも呼ばれている。地方によっては「びっくり腰」とも呼ばれる。
軟部組織の損傷
軟部組織の損傷には、打ち身や皮下出血(打撲傷)や軽度の筋肉の断裂(軽い肉離れ)、関節近くの靭帯(じんたい)や腱の損傷(軽度のねんざ)があります。
打撲、軽い肉離れ、軽度のねんざは、軽度から中程度の痛みと腫れを起こします。腫れた部位は変色し、1日たつと紫色になり、数日後には黄色または茶色になります。普通はけがをしている部分も動かすことができます。ただし軽い肉離れやねんざでも、疼痛、変形や歩行困難、またはけがをした部分を動かせないなどの重い症状が現れることもあります。
それらの症状がみられる場合は、脱臼(関節で接合している骨が外れる)、亜脱臼、骨折(骨折の種類を参照)など、より重いけがの可能性があります。重傷の場合は、医師の診察を受け、けがの程度を突き止める必要があります。
打撲傷、軽い肉離れ、軽度のねんざは、患部を休ませ(Rest)、冷やし(Ice)、圧迫し(Compression)、
そして心臓より上に保つ(Elevation)ことが大切で(RICE法)、回復を早め、痛みや腫れを緩和します。
骨折、重度の肉離れやねんざ、亜脱臼、または脱臼の可能性があるときは、医師の診察を受けるまでの間、副子をあてておくようにします。

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